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ドゥン・・・!と、路地裏に、反響する銃声。 それを掻き消すほどに大きく轟いた、標的の醜い断末魔。 嫌に耳に残ったそれと硝煙と鉄錆の鼻につく臭いのせいで、何故だか、酷く不快な気分になった。 この世に生まれ出でた瞬間から、それらには慣れているはずなのに。 眉間の皺が僅かに深くなる。―――といっても、一流のヒットマンである己の微妙な表情の変化など、ほんの些細なものだったのだが。 これを読み取れるのは、恐らく。付き合いの長い、ごくごく一部の人間のみ。 真っ先に脳裏に浮かんできたのは、10年来の付き合いの、ハチミツ色の髪と瞳の己の教え子兼雇い主の、平和ボケした顔だった。 今や立派なマフィアのボスとなったその教え子は、己と同じ、血と欲望と闇に塗<まみ>れた世界に居るにも拘らず、近付けば出逢った時と変わらぬままの、温かい陽だまりの気配がする。・・・不思議な事に。 裏の社会の匂いなど全くしないというのに何の因果か、彼は今―――イタリア最大のマフィアのボスという地位に納まっている。 暖かな気配の反面で、彼は、意外なほど冷酷な一面も持っていた。 出逢ったあの頃からは想像も出来ないくらいに無慈悲なもうひとつの顔で、裏切り者には容赦なく、死という名の制裁を与える。 今行なった暗殺も、そんな彼に命じられた仕事であった。 寂しそうな(付き合いの長い人間ならそれとすぐに解るような)(それでも、幹部と一部の人間以外には看破できぬくらいに完璧な)笑顔でそれを命じた彼に、内心で(ほんの少しだけだけれど)、罪悪感を懐かずには居られなかった。 なんせ―――己が・・・そう、育て上げたのだ。 陽だまりの中で生きていた、優しく、無知で、愚かで、そして綺麗だった彼を、十数年という長い時間を掛けてそういう風に作り変えた。 (嗚呼・・・!なんて罪深い事をしたのだろうか、己は、) 後悔はしていない。それは彼にとっても、己のプライドにとっても、望ましくない。そんな事をしたら侮辱もいい所だ。 己の人生の中で、一番最高で、同時に一番最悪な、十数年にも渡った大仕事。 ボンゴレ十代目の家庭教師という、その大仕事は――― 「・・・・・・報告は、シャワー浴びて着替えてからだな。」 ボンゴレ専属のヒットマンという立場に名目を変え、今尚、継続中。 死 を 浴びた から 御題に沿ってないのは言っちゃいけないお約束☆(爆) ―――いや、一応リボ様の台詞と被せてありますけども。(汗) PR |
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四谷 由里加
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