喧嘩をしていた。
きっかけと呼べるものは、笑ってしまうくらいに、ほんの些細な事だった。
なのに、大喧嘩。
怒鳴って怒鳴って、怒鳴り合って。喚き散らして、暴れてそのまま、別れた。
それが昨日の夜の、事。
あれ以来、一度も口をきいていない。目すら、合わせていない。
あれは、あの喧嘩は。
絶対に、アイツが悪かったのだと、断言出来る。
けれど。
俺も、確かに悪かったんだ。(今なら、素直に認められる)(あの時は無理だったけれど、)
半ば意地の張り合いだったように思う、から。


だからさ、認めるから、だからお願いだ。


(ただ一度、もうひとめだけ･･･、アイツに　)




俺の、ダメダメだった希望のない人生を変えた、アイツに―――。




嗚呼もう。ちゃんと、謝っておけばよかった！


あの時―――まさか、こんな事になるなんて思いもしていなかったんだ。
この業界に身を置いているのならば、常に＜死＞というモノがついて回るというのに。それをすっかり忘れて、一般人のような思考に戻っていた。
この世界に居るのなら、常に心残りはないようにしていないといけなかった、のに。
今の俺には、後悔だらけだ。


(ごめん、ごめんなぁ･･･
どうしてあんな事で怒ってしまったんだろう･･･。普段なら流せたのに、どうしてムキになっちゃったのかな。なんで怒鳴っちゃったんだろう。
･･･せめて。せめて、仲直りしてから出掛ければ、よかった―――。)




だって、俺はもう―――




(ダメかも、しれない。)




ホント馬鹿だ、俺は･･･。
(全然、ダメツナから抜け出せてないや･･･)
お前に育ててもらったのに、まったく救いようがない。
―――最後まで本当に、情けない生徒だね･･･。


そろそろ呼吸が怪しくなってきた。
寒気が、震えが･･･、とまら　ない。




アイツのぬくもりが、どうしようもなく―――･･･恋しい。






(　ごめん、ね　。)







涙がじわりじわりと溢れ、そして･･･、零　れ　た。










「あいしてるよ･･･　リボーン　」











俺の、ヒーロー！


















ただひとりきみをあいしている